フッ素系塗料といえば、住宅の外壁塗装の高級塗料として有名な塗料です。
さまざまな機能性があり、耐用年数が長いので近年住宅の外壁塗装にも注目されています。外壁塗装のフッ素系塗料の特徴やメリットなど、知っておくべきさまざまなポイントを以下にご紹介いたします。
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外壁塗装に使われるフッ素系塗料の特徴
外壁塗装への注目を浴びているフッ素系塗料には、今までの普及品の外壁塗料にはなかったさまざまな特徴があります。
機能性抜群ですので、期待度が高い塗料で人気です。どのような特徴があるのか、以下にご紹介いたします。
耐久性
フッ素系塗料は耐久性が高く、15~20年はあると言われています。外壁塗装の普及品の塗料と言われているシリコン系塗料は耐用年数が8~12年と言われており、フッ素塗料の耐久性が群を抜いて高いことがわかります。
塗り替えをしたタイミングによっては、メンテナンスフリーとなる場合もあります。そのため住宅の管理が難しい高齢のご家庭には、耐用年数が長く管理の手間がかからないフッ素系塗料は適した外壁塗料です。
ただし耐久性が高いことと引き換えに、初期費用は高くなってしまいます。費用が高い分、長持ちする塗膜になり、綺麗な塗膜も長く続きます。
長く建物の外壁の美しさを保ちたい方や、予算に余裕がある方にはフッ素系塗料がおすすめです。
耐熱性
フッ素系塗料は耐熱性が高く、塗布する素材が高温になった場合でも塗膜が異常を起こすことなく、保つことができます。
フッ素系塗料といえば、東京スカイツリーに塗布されている塗料として有名です。東京スカイツリーは鉄骨造であり、鉄骨といえば熱伝導率が高く熱くなりやすい素材です。
そのような熱くなりやすい鉄骨にフッ素系塗料を塗布しても、耐熱性に富んでいるので塗膜が劣化することなく長く使い続けることができます。
そのため、金属製サイディング等の熱伝導率が高い外壁素材の外壁塗装工事に採用しても、劣化しにくい塗膜となります。
親水性・低摩擦性
フッ素系塗料は、親水性に富んでいる塗料です。
親水性とは、塗膜の表面に雨などの水分が付着した際に、雨水が玉のような水滴にならず、薄く広がって水の膜を作ることにより外壁に付着した汚れを浮かせて、雨などの水分と一緒に流れ落とすことができます。
外壁に付着してしまった汚れを、雨が降るたびに洗い流して綺麗な状態にすることができるということになります。雨などの水分を付着させるたびに外壁の汚れが流れるので、常に綺麗な外壁となります。
塗装塗りたての外壁状態が続くので、常に高価で古さを感じさせない建物に見せることができます。
またフッ素系塗料は、低摩耗性にも富んでおり滑りやすいので、外壁に触れても塗膜が破壊されにくい状態となります。親水性と低摩耗性の2つの効果により、常に綺麗で劣化しにくい塗膜となります。
耐薬品性
フッ素系塗料は、耐薬品性に富んでいる塗料であり、様々な薬品に対して耐久性が高い塗料です。雨には酸が混じっており、雨の影響により塗膜は劣化していきます。フッ素系塗料の耐薬品性により、酸やアルカリ、有機溶剤などの塗装工事にからむ薬品に触れることがあっても、塗膜が溶けたり膨張したり反応しない塗料です。雨にも強く薬剤にも強いので、劣化しにくい塗膜となります。
防カビ・防藻性
フッ素系塗料には、カビや藻、コケが付着しにくい塗料です。そのため、カビや藻、コケが発生しやすい風通りの良くない外壁に塗布すると、カビや藻、コケが発生しにくい綺麗な外壁となります。
更に親水性に富んでいる塗料なので、万が一カビや藻、コケなどが発生して塗膜に付着しても、雨などの水分が塗膜に付着することにより、綺麗に洗い流すことができます。
カビや藻、コケが塗膜に付着すると、塗膜を破壊し外壁素材にも影響を与えてしまいますが、フッ素系塗料はカビや藻、コケが付着しにくいので、塗膜だけではなく外壁素材、建物も守ることができる塗料です。
フッ素系塗料で外壁塗装をするメリット
フッ素系塗料には、様々な機能性があります。外壁塗装を行うことで、様々なメリットを得ることができる塗料です。フッ素系塗料で外壁塗装を行うとどのようなメリットがあるのか、以下にご紹介いたします。
耐用年数が長い
フッ素系塗料の耐用年数は、15~20年です。15~20年の間、耐久性と耐候性を維持することができるので、塗膜の劣化の心配が少ない安心の塗料となります。
初期費用は高いですが、耐用年数が長いことにより塗り替えのメンテナンス回数を減らせるので、生涯的にコストパフォーマンスが高い塗料となります。
住宅に使う主な外壁塗装の中でも、特に長持ちする塗料なので人気があります。フッ素系塗料が販売されてから20年以上経っているので、15~20年という耐用年数は信頼性が高い数値といえます。
光沢・ツヤが長持ちしやすい
フッ素系塗料は光沢やツヤが長持ちしやすい塗料であり、経年劣化をしても光沢感が落ちにくい塗料です。
様々な塗料に艶あり塗料はありますが、フッ素系塗料は他の塗料と比べると光沢や艶が長持ちし、新築のような輝きの外壁塗膜を保つ事ができます。
ツヤのある質感の外壁が好みの方には、おすすめの塗料です。
フッ素系塗料を外壁塗装に使ったことにより、住まいが豪華に見えるようになったという声も挙がっています。
メンテナンスの回数が抑えられる
フッ素系塗料は耐用年数が15~20年と言われているので、メンテナンスの周期を長くでき、メンテナンスの回数を抑えることができます。その代わり塗料の単価は高いですが、外壁塗装ごとに発生する足場などの仮設工事の回数も減らすことができるので、結果としてコストパフォーマンスが高くなります。
外壁塗装のメンテナンスというのは想像以上に面倒なので、外壁塗装の回数を減らすことができるのは住む側も安心して住み続けることができる理想の塗料といえます。
フッ素系塗料で外壁塗装をするデメリット
フッ素系塗料は非常に優秀で耐用年数が長い塗料ですが、残念ながらデメリットもあります。
フッ素系塗料を外壁塗装に採用する際は、デメリットも把握した上でご利用を考えましょう。フッ素系塗料の外壁塗装のデメリットは何があるのか、以下にご紹介いたします。
価格が高い
フッ素系塗料は機能性に富んでおり優秀な塗料ですが、コストがかかってしまうことがデメリットです。外壁塗装の普及品と言われているシリコン系塗料と費用を比較すると、1.5倍ほど高くなります。
外壁塗装は塗装をする㎡数が広いので、普及品の塗料を使って工事を行っても費用は高くなってしまいます。
そのため、外壁塗装の中では高価であるフッ素系塗料を外壁塗装に使うことは、予算的に厳しいと思う方もいると思います。
しかしフッ素系塗料は耐用年数が長いので、1度塗布すると次回の塗装までの期間を長く空けることができます。
そのため、長い目で見るとコストパフォーマンスは良いといえます。費用は高くなってしまうので、外壁塗装メンテナンスのための費用の積み立てをしておくと良いでしょう。
ツヤなし(マット)にはできない
フッ素系塗料には、艶消しの塗料はありません。そのためマットな雰囲気の外壁塗装にしたい方は、不向きの塗料です。3分ツヤくらいまでは可能な塗料もありますが、ツヤ無し塗料はありません。
耐用年数が長く艶消しのマットな外壁塗装にしたい方には、フッ素系塗料以外の塗料を採用しましょう。
ひび割れしやすい
フッ素系塗料は硬い塗膜なので、追従性が低くひびわれしやすいデメリットがあります。
追従性が低いので、地震などの建物に発生する動きに対応ができなく、塗膜にひび割れが発生する場合があります。
既に既存外壁にクラックなどの不具合が発生している場合は、クラック部分の塗膜にもクラックが発生することがあり、クラックが大きい場合は雨漏りが発生してしまう場合もあります。
既存外壁にクラックなどの不具合、雨漏りの発生がある場合は、フッ素系塗料はおすすめできません。
フッ素系塗料と他の塗料との比較
フッ素系塗料は他の塗料と比べると、どのような違いがあるのでしょうか。フッ素系塗料と他の塗料との違いを、以下にご紹介いたします。
アクリル系塗料
アクリル系塗料は、一昔前に住宅の外壁塗装として流行った塗料です。
外壁塗料の中で1番安価な単価であり、昔の時代の物価に似合った塗料として人気がありました。現在はアクリル系塗料よりもコストパフォーマンスが良い塗料が販売されてきたので、住宅の外壁塗装としてはあまり使われなくなりました。
安価という大きなメリットがあり、耐用年数が短いというデメリットがあります。頻繁に外壁の色を塗り替えたいと思う方は、アクリル系塗料も悪くありません。
しかし外壁塗装工事を行う度に足場などの仮設費用が発生するので、トータルのメンテナンス費用を考えると、フッ素系塗料の方が安価に利用できます。
ウレタン系塗料
ウレタン系塗料は、柔らかい塗膜となるので外壁素材への密着度が大変良い塗料です。塗膜が柔らかいので追従性に富んでおり、既存外壁にクラックなどの不具合が発生していても、雨漏りを防止できます。デメリットといえば、変色しやすいことです。
フッ素系塗料は親水性があり綺麗な塗膜を保つことができるので、綺麗な外壁塗膜キープしたい方はフッ素系塗料の方がおすすめです。
シリコン系塗料
シリコン系塗料といえば、外壁塗装工事の中で普及品の人気の塗料です。コストパフォーマンスも良いということで、ご利用されるお客様が多いです。
フッ素系塗料の方が単価は効果ですが、耐久性や耐候性が高く、外壁素材と塗料がしっかりと密着するメリットがあります。そのため長持ちする塗料として有名です。
耐久性や耐候性を重視した外壁塗装工事を行いたい場合は、フッ素系塗料の方が適しています。
無機塗料
無機塗料は、塗料に含まれている有機物が少ししか配合されていない塗料です。
有機物は塗膜の劣化を発生させるので、無機塗料は有機物の配合を極力少なくしているので、その分劣化しにくく耐用年数が長い塗料です。
しかし耐用年数が長い分フッ素系塗料と比べると費用が高価であり、住宅の外壁塗装にはあまり採用されない塗料です。
長持ちさせて機能性を発揮させる外壁塗装にしたい場合は、無機塗料に多くの費用を費やさなくてもフッ素系塗料で充分といえます。
フッ素系塗料の代表的なメーカーと製品
フッ素系塗料は、日本の代表的なメーカーから様々な商品が販売されています。フッ素系塗料を販売している代表的なメーカーと代表的な商品を、以下にご紹介いたします。
日本ペイント
日本ペイントは、日本を代表する塗料メーカーとして有名な企業です。建物の塗料だけではなく、様々な塗料の開発をして販売しています。
日本ペイントの代表的なフッ素系塗料は、ファインフッ素やファイン4Fセラミック、1液ファインフッ素UV、水性サーモアイウォールFなどがあります。
関西ペイント
関西ペイントは、大坂に本社がある優れた建築用機能性塗料を日々研究して作成している企業です。配色設計をしているので、外壁塗装の色合いに迷った時は相談に乗ってくれます。
関西ペイントの主なフッ素系塗料は、セラMフッ素やセラMフッ素弾性、アレスアクアセラフッ素、アレスクール水性Fなどがあります。
エスケー化研
エスケー化研は、日本で1番建築系の塗料を販売している業者であり、塗料の種類も大変豊富です。
建築系の塗料のみを取り扱っており、様々な機能性ある塗料作りの研究を日々行っています。エスケー化研の主なフッ素系塗料は、水性セラタイトFやクリーンマイルドフッソ、プレミアムUVクリヤーF、SKフッソクリヤーWなどがあります。
フッ素系塗料での外壁塗装がおすすめの人
フッ素系塗料は、高価な塗料です。
そのため、フッ素系塗料を使って外壁塗装を行う方は、フッ素系塗料が持つ機能性を十分に堪能したい方におすすめです。外壁塗装でフッ素系塗料がおすすめの方は、以下の方です。
トータルコストを抑えたい
フッ素系塗料は、単価が高いので初期費用は高くなってしまいます。しかし、初期費用が高い分長耐久の塗膜となります。耐用年数が長い塗料を使うことにより、外壁塗装工事のメンテナンスにかかる足場などの仮設工事の費用を抑えることができます。
そのため、フッ素系塗料を使った外壁塗装工事というのは、長い目で見るとコスト削減へと導くことができます。1回に支払う費用は確かに高いですが、長期間塗り替えをしなくて良いのでトータルコストは抑えることができます。
頻繁に劣化してしまう塗料を使うと、塗膜の劣化の管理も面倒です。
フッ素系塗料は長持ちする塗膜となるので、頻繁に塗膜の劣化チェックを行わなくて良いので、手間のかかりにくい塗装となります。
家を長持ちさせたい
フッ素系塗料は耐用年数が長いので、長期に渡り塗膜で建物を守ることができるので、雨漏りが発生しにくいです。そのため、家が長持ちします。
塗膜は外壁を守り、外壁は建物を守っています。1番外側にある外壁塗膜が長期間丈夫であることにより、家の中に雨などの水分による被害を与えずに済むので、劣化しにくい家となり長持ちします。
外壁から雨漏りが発生するというイメージが無い方もいるようですが、雨漏りは屋根よりも外壁から発生することが多くあります。そのため、外壁塗膜さえしっかりしていれば雨漏りとは縁のない建物になります。
ツヤのある仕上がりにしたい
フッ素系塗料は、光沢ある仕上がりとなる塗料です。ピッカピカの綺麗な光沢を発揮し、キラキラしたような豪華な外壁を演出してくれます。ツヤのある外壁が好みの方には、最適な塗料です。
ただし、建物の環境によっては、光沢があり過ぎる外壁塗装は安っぽく見えてしまうこともあります。ツヤが強い外壁塗装が好みの方は、業者に相談をしてツヤの度合いを調整して外壁塗装工事を行うと良いでしょう。
フッ素系塗料で外壁塗装をするときの注意点
フッ素系塗料を外壁塗装工事に使うことには、様々なメリットがあります。しかし、注意点もありますので、しっかり把握した上でフッ素系塗料の利用を検討しましょう。
フッ素系塗料で外壁塗装工事を行う際に目を向けるべき注意点を、以下にご紹介いたします。
優良業者に依頼する
フッ素系塗料の住宅への施工は、価格が高いせいか採用されるケースは少なめです。そのため、業者によってはフッ素系塗料を1度も取り扱ったことがない場合もあります。
塗装工事というのは、その塗料の性質などを詳しく把握していないと、適切に塗布して理想の塗膜を作ることができません。そのため、フッ素系塗料での外壁塗装は、実績のある優良業者にお願いしましょう。
フッ素系塗料を取り扱ったことがあるかどうかは、業者のホームページに掲載していますのでチェックしましょう。フッ素系塗料は住宅に使われるケースが少ないので、取り扱った場合は業者の良いアピールとなります。そのため、ホームページにてフッ素系塗料を使った外壁塗装工事の実績があることを記載します。
フッ素系塗料の成功というのは、一般住宅ではあまり採用されることはありません。そのため、塗装実績がある業者は少ないと思うようにしましょう。
ホームページを持っていない業者にフッ素系塗装工事を依頼する際は、フッ素系塗料の施工経験はあるのかなど、詳しい内容などの質問をしましょう。詳しい答えが返ってくる業者であれば、お任せしても良いでしょう。
耐候性の高い塗料を選ぶ
塗料というのは、塗料販売前に促進耐候性の試験を行っています。耐候性というのは、太陽や紫外線が塗膜に当たることにより、塗膜自体が劣化しにくい性質のことです。
フッ素系塗料と一言で言っても、塗料により耐候性は異なります。そのため、できるだけ耐候性の高いフッ素系塗料を選ぶようにしましょう。
塗料の耐用年数は、塗装のパンフレットに必ず記載されています。
そのため、どの塗料を使うか選ぶ際は必ず塗料のパンフレットをもらい、耐用年数が長い塗料を採用しましょう。もしも業者がパンフレットを用意できないと言ったら、塗料のメーカーのホームページに塗料の詳細が記載されているので、そこで確認すると良いでしょう。
まとめ 優良業者による施工でフッ素系塗料のメリットを最大限に
フッ素系塗料は価格は高価ではありますが、耐用年数の長さや多くの機能性があるメリットがあります。それらを考慮すると、メンテナンス費用の節約になることがわかると思います。
外壁塗装のメンテナンスは費用も高く面倒な工事ですので、できるだけ手間がかかりにくい塗料を採用して使うことが重要となります。
初期費用は高いですが、フッ素系塗料で面倒のない外壁メンテナンスになります。
またフッ素系塗料を採用する際は優良業者に依頼し、フッ素系塗料の利点を最高に生かせる外壁塗装工事にしましょう。
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